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福島大学

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福島大学農学群食農学類2019年4月開設

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株式会社カネカテクノリサーチ 
分析部高砂分析センター 
山口 菜月

農学系大学に進んだ理由

 私が農学系の学部に進もうと思ったのは、食とそれを支える科学に関心があったからです。高校卒業時の私は進路を考えるに当たり、漠然と食と科学について学びたいと考えました。その中でも、食物の生産や加工とそれらの生産性の向上など、食生活をより豊かにしていくことを可能にする科学やその技術に興味がありました。現代は食と科学は切っても切れない関係にあり、自分自身も科学を通して食文化のさらなる発展に寄与できる研究者になりたい!という思いから農業系の学部を選択しました。

大学で学んだこと

 今振り返ってみると、私は大学で分析に携わるものとしての基礎を学ぶことができたと思います。私のいた大学では4回生になると研究室へ配属されて卒業研究に取り組みます。パワフルでユニークな教官のいる分析化学研究室で化粧品に含まれるある成分が肝臓炎症を引き起こすことをイメージング質量分析という手法で明らかにしました。学会で発表したりしました。ハワイの学会に参加したときはビーチそっちのけで真剣に化学の議論をしている世界中の研究者を目の当たりにしました(私はきちんとビーチにも行きました)。刺激的な4回生の1年でした。大学で学ぶことの多くが、理系の専門職に進むなら、できて当然、というようなことばかりであったことに卒業し就職して初めて気づきました。例えば、分析器具の基本操作、単位換算やpHの計算、実験の進め方、など基本的なことは数えたらキリがありませんが、その多くは入社してからはわざわざ教えてくれません(聞けば優しく教えてくれます)。大学では座学も実習もまじめでいたつもりでしたが、あとから何が役に立つことかもわからないもので、振り返ればもっと考えながら取り組むべきだったなと思うことも多いです。

就職先を選んだ理由

 大学でしていた研究がそのまま就職後役立つということは多くないと聞きますが、それでも私は、大学での経験が活かせる仕事を探していました。そして、化学の力で世の中に貢献したい、人々の役に立ちたいという思いを芯に、理系の専門職に的を絞って就職活動を行いました。紆余曲折ありましたが、私が理想としていた今の会社にたどり着くことができました。

今の仕事について

 私がいる株式会社カネカテクノリサーチは、株式会社カネカのグループ会社で、分析・調査に特化した業務を行っています。私たちは、分析・調査などの技術サービスを通じてお客様の満足を獲得し、さらには豊かな暮らしに貢献することを目指しています。私の仕事は、分析対象に含まれる有害成分や有効性成分の定性や定量を行うことです。分析対象は、食品、医薬品、生体試料、樹脂、環境試料、ガスなど非常に多岐にわたります。中には開発段階の製品の分析やメーカーの製造停止の判断に係る分析に携わることもあり、責任が重い仕事だと感じています。今、力をいれているのは、臭気に関する分析です。私たちの生活を豊かにしうるものなので、非常にやりがいのある仕事だと自負しています。

高校生に向けてのメッセージ

 今はまだ、将来どんな職業に就きたいか、どんな会社に入りたいか、そのためには何から始めればいいのか、などの自分の希望ややるべきことがぼんやりしている人も多いのではないでしょうか。実際私はそうでした。でも、少しずつでもやりたいことを見つけ、前に進めればいいと思います。そして漠然とこんなことがしたい!という思いで進路を選択してもいいと思います。大学生活は自分の選択次第で、たくさんの経験ができる可能性が秘められています。在学を通してゆっくり自分の進みたい道を見つけていってください。

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