石川尚人(特任教授)が主導する「国際共同研究プロジェクト:モンゴルの草原生態系の修復への取り組み」 がyoutube(限定公開)で動画が公開されています。 動画はここから視聴できます)
モンゴルの広大な草原では、気候変動や過放牧、都市への人口集中などにより砂漠化が進み、生態系の劣化が深刻な課題となっています。こうした状況に対し、筑波大学・モンゴル生命科学大学・福島大学による国際共同研究チームは、草原生態系の回復と持続的利用を目指した研究を進めています。研究の拠点となっているのは、首都ウランバートルから西へ約90kmに位置するホスタイ国立公園で、野生動物保護と生態系研究の中心地として知られています。
本プロジェクトには、福島大学 食農学類 特任教授 石川尚人が参画し、家畜を用いた新しい修復手法「放牧修復(Grazing-based Restoration)」を提唱しています。これは、単に放牧を制限するのではなく、家畜に十分なミネラルを与えることで、糞や尿を通じて草原に栄養を還元するという、草原再生の"循環型アプローチ"です。石川教授は、「家畜にもミネラルが不足しており、必要量の2倍を安全な範囲で与えることで、栄養が草原に戻る。その循環こそが生態系修復の鍵である」と述べています。
現地では、筑波大学やモンゴル生命科学大学の研究者と連携し、ミネラル施用区・放牧区・コントロール区など複数の試験区を設け、植生・土壌・家畜健康の変化を総合的に調査しています。その結果、草原の生産力や微生物活性の回復傾向が観察されつつあり、科学的データに基づく実践的モデルとして期待されています。
モンゴル生命科学大学のウンダルマー・ジャムスラン教授は「日本の科学的知見とモンゴルの伝統的放牧文化の融合により、乾燥地における持続的利用モデルが構築できる」と述べ、国際連携による学術的・社会的意義を強調しています。