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福島大学

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福島大学農学群食農学類2019年4月開設

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[論文]"愛情ホルモン"が脳の老化を守る? 加齢神経で若返りの分子機構を発見

平修教授と福島県立医大の前島裕子准教授、下村健寿教授らのグループは、脳老化およびエピジェネティック制御に関する新知見を、国際誌 『Aging Cell』 に発表いたしました(論文番号 e70198、2025年8月11日刊行)。
加齢に伴い、神経細胞では DNA メチル化やミトコンドリア機能低下、慢性炎症、細胞老化(セネセンス)などが相互に影響し合い、「細胞・組織レベルの老化」を加速させることが近年明らかになっています。本研究では、こうした状態を可逆的に制御する手がかりとして、神経活性ペプチドである オキシトシン(Oxytocin) に注目しました。
本研究では、加齢したマウスの神経細胞を対象に、オキシトシンを投与することで DNA メチル化除去酵素(TET酵素)の発現が促進され、神経細胞内でのメチル基除去・エピジェネティックなリプログラミングが進行したことを明らかにしました。これにより、"老化"を示す細胞マーカーが低減傾向を示し、神経機能維持の観点からも意義ある知見と考えられます。
本研究は、オキシトシンが単なる行動・社会性の制御ペプチドにとどまらず、神経老化制御の新しい分子経路に関与している可能性を示しました。具体的には、DNA メチル化という可変なエピジェネティック制御機構を通じて、加齢神経細胞の機能回復や老化抑制に寄与する"アンチエイジング"ペプチドとして期待されます。将来的には、神経変性疾患(アルツハイマー病・パーキンソン病など)や加齢関連認知機能低下を対象とした治療・予防戦略開発に繋がる可能性があります。

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