福島大学食農学類の平 修教授と芝浦工大の越坂部教授らの共同研究の成果が、国際学術誌『Antioxidants』に掲載されました。
本研究では、植物由来のフラボノイドである(−)-エピカテキン、タキシフォリン、ケルセチンを対象に、分子構造の違いが、安定性や酸化還元特性、さらに生体内での作用にどのような影響を与えるかを調べました。
3種類のフラボノイドはA環とB環が共通する一方、中央に位置する「C環」の構造が異なります。実験の結果、このわずかな構造の違いによって、中性条件下における安定性や活性酸素との反応性が大きく変化することが分かりました。
特に(−)-エピカテキンは高い反応性を示し、動物実験では尿中アドレナリン排泄量と血流を増加させました。一方、タキシフォリンおよびケルセチンでは、同様の変化は認められませんでした。また、酸化が進行したエピカテキンでは血流増加作用が失われたことから、消化管に近い中性環境で生じる一過性の活性酸素が、交感神経系の活性化に関与する可能性が示されました。
本研究は、フラボノイドの機能を単に「抗酸化力」の強弱だけで捉えるのではなく、その分子構造、消化管内での化学変化、生理作用を一体として理解する重要性を示すものです。今後、食品に含まれるフラボノイドの機能性をより精密に評価するための基盤となることが期待されます。